
10years ago.I'd never imagined that "10years" would gone so fast.
映画を始めとして、文化・芸術の世界でよく言われる「9.11以降」っての。
実際何の予備知識もなく映画を観て、そのことを関知できたタイトルは何だったかな。
すぐ浮かぶのは「宇宙戦争(スティーヴン・スピルバーグ監督 2005)」、「ミュンヘン(スティーヴン・スピルバーグ監督 2005)」…「ランボー/最後の戦場(シルベスター・スタローン監督 2008)」…ああこりゃ、もう「911以降」だ!ってのが分かっちゃう映画群…
あ、そういうのよして(途中かよ)、確かに我々の世代にはあった、確かに一時期アメリカの象徴だった、WTCツインタワーへの憧憬を書くか。10年目の節目に。
最近また飛行機の事故やトラブルの報道が増えている気がするし、中東の空は燃え続けているし、忘れさせちゃくれないというワケだ。
余談だが、10年前の今日は俺が生まれて初めて「腰を抜かした日」としても認定されている(どの機関にだ)。
半年前の11日には物理的に立っていられなくなったのだが、9.11の時はほんとに腰が抜けて立てなかったからね。
お隣の国がミサイルどうこうしたとかいう時にもついぞ感じなかった「戦争が始まる!」みたいなあの感覚とか。人生での初体験がいくつもあった1日だったな。
しかしながら9.11そのものを描いた作品にナゼか(当然か)全くイイのが無く、ムーア監督のドキュメンタリーもまた別腹なので、コレで行こう。
★「カッコいいツインタワーのカットに思わず『浜省』的なアメリカ礼賛をしちゃう映画ランキング」
(『浜省』は『田舎ヤンキーのノスタルジー』に置き換えても可)
♪あの娘はダンサー
ニューヨークで踊る日を夢見てた
俺はただ東京から逃れたかった
We were lookin' for America
映画の中のアメリカン・ドリーム
今も America
あの娘の 輝いてた瞳 思い出す
We were just lookin' for America♪
とかね。長いよ、引用が。
第3位「ニューヨーク1997(ジョン・カーペンター監督 1981)」
スネークがグライダー着陸させるのがWTCの屋上。最近ではすぐに「予算が」とか言われるが、当時コレ観てそんな事を最初に思う歪んだヤツはいなかった。この工夫、作劇上の勇気ある決定、これが映画じゃん。
俺コレ、業者テストの前日にONAIRで見て、翌日の数学、50点満点で3点取ったからね(ちなみに国語は45点)。まさしく人生を決定した映画だよ。JC作品で人生狂っても、後悔してないよ(アホ)。
ホラ、WTCの話は郷愁を誘うじゃん(違)。
第2位「サブウェイ・パニック(ジョセフ・サージェント監督 1974)」
地下でのマッソーと犯人一味との味のあるやりとりや、トボけたサブキャラの生きた会話シークエンスが続いた後、中盤あたりで唐突に出て来る車中の警察所長のシーン。昔のニューヨークのカッコよさがズバリ。とかいいながら本当にそんなシーンがあったか未確認(なんだよ)。「地下鉄の出口の警官と自動車電話で話す所長の背後にツインタワー」と記憶している。移動撮影で画面のどっち側だかからWTCが現れる(ハズ)。同年代の別の映画の可能性大アリ。イーストウッドだった気も…ポパイだった気も…イヤ、なんかフランケンハイマーだった気が濃厚に…
なのに2位とはどういうワケだ。
第1位「マン・オン・ワイヤー(ジェームズ・マーシュ監督作品 2008)」
綱渡りのヤツね。行った事もなければ見上げた事も無いあのビルになぜか思い切り郷愁や憧憬を感じてしまう。
なぜだろう、と観れば、主人公のプティ氏がWTCを渡ったのが1974年。奇しくも上記「サブウェイ…」と同じ時期のニューヨーク。この映画に出て来るニューヨークが(動画が少なく写真ってのがまた…)俺達が子供の頃に憧れたニューヨークそのものだからだと気付く。
鑑賞後自然に、あれ以降無くしたモノ、今でも変わらないモノに思いを馳せるように巧妙に仕組まれた構成に脱帽。クライマックスが写真でも全然OKじゃん、と勇気ももらえる。飛び出さなくっていいじゃん、と(アカデミー賞、堂々)。
コレったら、泣けるわ、残るわ、フラッシュバックするわで、お前が綱渡りしたんじゃないだろ、と。
9.11その後に続いた歴史、その渦中で翻弄され続けている今の底抜け脱線アメリカに憧憬どころか絶望しか感じられなくなっているフツーの貴兄に、絶対のおすすめはコレ、「マン・オン・ワイヤー」。
芸術家志望?とっとと黙って観とけや!
♪This is the song for USA
最後のアメリカの夢を 俺達が同じ時を駆けた 証にSing for all♪
あ、ここで「田舎ヤンキーのノスタルジー」に見事着地(ウソつけ)。
しかし、巨大な棒状の物が地上から垂直に二本、平行に立っているとなんで人はドキドキするのか、文化人類学(か?)の先生に教えて欲しい。あと、あって当たり前だったものが一度無くなり、トップ画像や「ミュンヘン」のラストカットのCGなどで再現された時のあのゾクゾクの正体も突き止めておきたい。
ああ、WTC。
家人は留学中にモノホンを見上げていたり、中でチケット買ったりしているのがまたクヤシい。
R.I.P.
◎磁
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