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憑く絵

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「憑く」で続けてみたりするけど、深い意図は無い。
無謀にも、絵の話するぜ。

俺は母親の生涯をかけた(実は何も考えてなかったに決まってるが)子育て実験の一環として、非常に幼い頃からムリヤリ芸術に触れさせられてきた経緯があって。
書棚に絵本などよりもヤケに画集が多かったり、小学校の時のお誕生日プレゼントが「横尾の画集」という超ウザい環境で育てられ、高校デザイン科その後デザイン学校というなっちゃない人生を歩まされて(人のせいにすんな)。
もしその情操教育(笑)のおかげでこの仕事、この性格になったんだとしたら、良かったんだか悪かったんだか。

改まって絵の話をするのに資料も無参照、カンと思い込み(思い違い)丸出しの、「トーシロー扱い上等!」で書いてみる。こんな蛮勇もまた個人ブログの醍醐味。

中野京子先生の「怖い絵」シリーズは面白いから、いいから黙って読め。
個人的には「怖い絵」というと久世光彦氏の名著(マジで)を思い浮かべるが、中野先生の方は淡々と絵にまつわる事実・史実を語って行くうちに「アッ!コイツぁ怖えや!」と感づくタイミングがクセになる力作。みんな大好きベックリン「死の島」については御両人共言及しているが、久世氏の思い入れタップリな半自伝的随筆(小説か?アレ)を取る。

そもそも。

とかく「怖い絵」って謳うけど、「絵はすべからく怖い」ってのが持論だったりもして、何を今更だ。
ホラーブームの余録で「怖い」ってえと売れちゃうのもどうなのよ。
拙作「ファロウ~ずっと一緒に~」の顔合わせに出席したメンツには喋ったが(そして全員忘れただろうが)、俺にとって、過去が焼き付けられた物は全て「怖い」んだよね。だから全ての絵・フィルムは「怖い」。
そしてハッキリしているのは「怖い物が好き」という嗜好なワケで、つまり怖い絵を語るイコール「好きな絵」を語ることになるのだね。

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前述ベックリンの「死の島」に続いてすぐ出てくるのは何?ムンクの「叫び」?昨今喧しいコンビニ本系で話題のベクシンスキーの見たヤツは三日後に死ぬとかいうヤツ(絵を見て死ぬヤツはいない、などとは口が裂けても言わない。絵を見て死ぬヤツはいるから)。あと定番はゴヤ「我が子を喰らうサトゥルヌス」?よりによってギーガーとか?どれも力作だけど、あんま来ないなあ。
前記事「憑く事件」同様、語ればもの凄く個人的な物になるはずなのに、なんで同じ様な物に短絡的に票が集まるのかなあ。
勝手にランキングに行こうかな。

「極私的『怖くて好きな絵』ランキング」

第5位「ドガ『エトワールまたは舞台の踊り子』」
通称「踊り子」ね。コレさあ、悪趣味な事に母方の、富士のおばあちゃんのウチに飾ってあって。しかも小面かなんかの面も飾ってあって(一族でウザい)。お化けも良く出るし、親類に「泊まるな!」って言ってる様なウチだったなあ、アソコ。
この絵は中野先生もピックアップしていたな。なるほど当時の風俗からみるとそういうワケだったのか、と合点がいけども、何らこの絵の怖さは損なわれない。何と言ってもあの黒い人!子ども心に「何?その人」っていう位置に書き込んであって、今でも怖い。大人になってから分かったが、クラシックバレエ体験者にまとわりついているあの共通の哀しみ(大スキ)を子どもの頃から関知していたのだな。子どもって「悲しい」と「怖い」の境界線曖昧だから。俺、コレ「哀しい絵」と認識しているみたい。

第4位「ムンク『臨終の床』」
これは姉にイヤがらせで教わった絵(どんな一家だ)。「叫び」よりも「思春期」よりもコレがヤ。とか言いながらあんまりディテール覚えてないんだけど。専門学校の資料集だったのかな、ムンクで検索しても出て来ないんじゃないか?他に有名な作品が多くて。この作家自体が、生涯かけて「死」に向き合って創作してきたヤツだから「怖い絵」の宝庫なんだろうけど、俺はコレ。前述のように資料を調べてないからそんな絵が実在してるかどうかもアヤシイが、俺は若い頃確かに見た。「臨終の床」。違っててもシラン。

第3位「スーラ『ナントカ島の日曜日の午後(調べろよ)』」
母親が俺を芸術家に仕込もうとして失敗したアオリで、俺の妹も同じ様なモノ眺めさせられて暮らしてきた不幸な子なわけだけど(でも妹は看護婦)、良くその辺の画集を見て「この絵は呪われている!」などと二人で騒いでいた筆頭がこのスーラの点描。今、見返してもイヤだ。なんだろう…描かれている人物が全員、「すでに死んでいる人」に見えるからだろうか。または、「こんな日曜日は現実には絶対なかった」からだろうか。点描という最初から狂っている技法のイヤさを関知していたのか、なんだか分からないが、死体見た時のあの「ああ、もう何言ってもこの人には通じないんだ!」感に近いものを感じる。とくにセンター付近、コッチ向いている母子はイヤがらせ。最近目が悪くなって来て感じている恐怖(おめえだけだよ)にもまた似てる。焦点が合わずに判然としない人物が、なぜかコッチを見ている事だけ分かった時の怖さ、だな。

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第2位「ホッパー『ナイトホークス』」
ああ、これまで言って来た事を台無しにするチョイス。思い切りメジャー「怖い絵」。ミレーの「オフィーリア」やワイエス「クリスティーネの世界」は挙げるまい!と頑張って来たのに台無し。
コレ、つげマンガの怖さね。あとアルジェントが映画で効果的にマネしててやっぱりコワかったんで。
なぜなのか…静かだから。
そうね。あと描かれている人物の古さ、か。ホッパーは黒い絵の具を思い切り使うのが好き。晴れた日には窓の中とか真っ黒だもんね。ウチの高校のデッサンの先生は「黒は無い。暗いのだ」と叫んでいたが(キチガイ)、黒いっていうの、闇は。

第1位「ホッパー『Room In Newyork』」
コレの思い出は、ワリと気が合うと思っていた家人と「実は趣味から何から全く合わないんじゃ?」と冷静に観直すきっかけになった作品だという事か。コレ、俺がどんだけ熱弁ふるっても全然分かり合えなかった。ある意味怖いわ。
イイんだけどなあ、コレ。
倦怠期と思われる夫婦がアパートの一室に居るのを絶妙な距離から眺めているシチュエーション。女は扇情的な赤いドレスをまとっているけど、男の方は避ける様な体勢で新聞読んでる。そんなの。で、手持ち無沙汰な気まずい雰囲気の中で女がアップライトピアノの高い方の鍵盤を戯れに叩く。
ポ~~~ンって音が聞こえたから、俺には。
ここにいたって全く「怖く」ないって?いや、この気まずい空気の怖さが実感できるじゃん。


久世氏の著作でもハッキリしたけど、絵画や映画なんて勝手に見るのが正解なのよ。絵画や映画が「自分にはどう見えたか」それがすなわち「どう生きて来たか」を見直す事とイコールなわけだな(ほっといて)。
「自分しか好きじゃないモノ」をどれだけ覚えておくか、でいいというコト。そのストックが自分にしか出来ない創作に繋がるのだよ。創作を志向してない人には無意味なサジェスチョンだけど。

かつて「絵画の見方」っていう本が出ていてさ。
ボッティチェッリなんかをトリミングして「こう見よ!」と図説した噴飯物の一冊だったが、案外俗人はそういうのを重宝がっているのかしら。哀しいぞ。

今年の夏は絵を見に行こう。
どうせ芸術の秋になったら美術館ハシゴの紙袋ババアといっしょに「睡蓮」眺める事になるから。

◎磁



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J.I.V.A.主宰。 
「不惑」を迎えるも、これまで総合演芸の名の下にあらゆる見世物に手を出し口を出し、何屋だかいよいよ分からなくなってきた「惑いっぱなし」のチンピラ中年。


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